経年変化した白黒写真のクリーニング・再生・修復
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白黒写真の救済法

(株)リボテックにおける一般的な作業項目

  乾板 および
ネガフィルム
印画紙(プリント)
クリーニング 再生 修復
  事前調査 事前調査 事前調査



支持体の紙の破れ・折れなどの補修 支持体の紙の破れ・折れなどの補修
予備清掃 予備洗浄 予備洗浄
膜面保護
画像安定化 画像安定化



一般的な汚染除去 一般的な汚染除去 一般的な汚染除去
銀汚染の除去 銀汚染の除去 銀汚染の除去
変色の復元 変色の復元
褪色の再生 褪色の再生

 一般的な写真では、現像処理時における様々な不都合や、保存の方法に問題がある場合、様々な劣化がみられます。
  これらは古い現像液での処理や処理能力の劣る定着液の使用、水洗不足などが主な原因です。 また、密封された環境での保存や、高温・高湿での保存は劣化を進めてしまいます。
 様々な原因で劣化した写真の救済方法について、簡単にご説明いたします。

1.ガラス乾板及びネガフィルムのクリーニング

 ネガの支持体は吸水性の無いガラスやフィルムを使用しているので、水洗不足による変褪色はあまりみられません。 しかし、銀汚染と呼ばれる劣化はしばしばみられます。(ガラス乾板のクリーニング例を見る
 この発生原因として、古い現像液や微粒子現像液を使用した場合、比較的早い時期に起こることが知られています。 周辺部と濃度の高い部分(ハイライト部)から始まり、放置しておくと全面に鏡のように銀が表面に浮き出て、プリント不能な状態になってしまいます。
 銀汚染の発生のメカニズムは、現像処理時にコロイド銀と呼ばれる微細な銀粒子が生成されるからです。 このコロイド銀が時間が経つにつれ表面に集まるためです。
  この銀粒子を専用の除去液で取り去り、同時に塵や埃、表面のカビなどを除去するのが、当社の「クリーニング」です。
  このクリーニングによりプリント不能なガラス乾板やネガフィルムから、実用上問題が無い良好な画質のプリントを作ることができます。

2. クリーニングの手順

1) コンディショニング ネガ表面の埃や塵をエアーブローで取り除き、表面のカビや一般的な汚れを洗浄液で取り除く。
2) 銀汚染の除去 専用の除去液により銀汚染を除去する。
3) 水洗 精製水で残留した除去液を洗い流す。
4) アーカイバル処理 富士Agガードでの処理。
5) 乾燥 自然乾燥

3. プリントの再生及び修復

  プリントの支持体はバライタ紙とよばれる洋紙で吸水性が大きく、現像処理における薬品の残留が起きやすいことが知られています。 特に水温が10度以下の水洗では、ほとんど水洗の効果がないので劣化が起こりやすいのです。 定着液に含まれる「硫黄」が残留していると画像を形成している銀粒子と反応し褐色の硫化銀に置き換わり、いわゆるセピア色に変色します。 また、空気中の酸化物により画像を形成している銀が、金属銀から各種の銀化合物に変化し、変褪色してしまいます。 この反応は高温・高湿や紫外線の作用により加速されます。 また、ネガと同様の理由から銀汚染も発生します。
  このような原因で劣化したプリントを再生・修復し、より良い画質に戻します。 (修復例を見る

4. 再生・修復の一般的な手順

1) 前水洗 印画紙の表面の埃・塵や一般的な汚れを洗い流す。
2) 前硬膜 印画紙膜面のゼラチンを以下の処理に耐えうるように硬膜する。
3) リンス 硬膜液を洗い流す。
4) 漂白 画像を形成していた銀粒子が様々な原因で銀化合物になっているので、漂白液により漂白し、ハロゲン化銀に置き換える。
5) リンス 印画紙の表面に付着している漂白液を洗い流す。
6) 清浄 印画紙にしみ込んでいる漂白液を分解する。
7) 水洗 清浄液を完全に洗い流す。
8) 露光 強い白色光を当てハロゲン化銀を感光する。
9) 現像 一般的な印画紙用現像液で現像し画像を再現する。
10) 停止 弱酸性液で印画紙を中和する。
11) 定着 不要なハロゲン化銀を分解する。
12) 水洗 処理液を完全に洗い流す。
13) 乾燥 表面の水分を取り除き自然乾燥する。
14) フラットニング 印画紙を平坦にする。

以上
写真の劣化の原因と、クリーニング及び再生・修復の手順を解説しました。